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  • 夢叶

専門家に訊くバイオマス発電

更新日:2021年10月21日

 皆さま、こんにちは。私は、この記事の執筆を担当する大石夢叶と申します。大学では、経営学部に所属しており、今年からこのプロジェクトに参加することになりました。このプロジェクトを通じて、地域単位でのエネルギーの有効な活用方法や、それが生み出す経済循環について理解を深めていきたいと考えています!



 さて、2021年8月24日に、私たちは自然エネルギー財団の相川高信さんとの座談会を開き、木質バイオマスを中心とした自然エネルギーについて様々なお話を伺いました。どのお話も大変興味深く濃密であったため、全部をここに書き残すことはできませんが、この座談会で私が特に印象に残ったことを3つ紹介しようと思います!



★バイオマス発電の意外な役割★


 1つ目は、発電におけるバイオマスエネルギーの位置づけについてです。相川さんはこのトピックを通して、バイオマス発電は、既存の太陽光、風力発電とは違った独自のポジションを獲得する必要があるということを説明されていました。「なぜなら、太陽光や風力はどのような場所でも比較的入手が容易なうえ、既に専用の発電システムが全国各地に設置されており、発展途上のバイオマス発電とは規模の面で大きな乖離があるからである。そこでバイオマスはあえて規模の拡大を図るのではなく、小規模なままで太陽光、風力の補完的な役割を担うべきである」という説明を受けました。バイオマス発電に限らず、私は発電の規模は大きければ大きいほど効率的に行えて、その方が良いという認識を持っていたので、補完的で小規模な発電という観点は衝撃的でした。このトピックを通して、発電の形態によってはその特性や状況に応じて、それが担いうる役割が異なるということに気づかされました。



★発電所新設の課題と解決策★


 2つ目は、どうやって発電所の新設を地域住民に受け入れてもらうかについてです。これは、実際に自分の地元で発電所の新設に対する反対運動が行われた経験を持つメンバーから出された質問を起点として深堀されたトピックで、相川さんはこのようなエネルギーと人々との関わり合いについても具体的な方向性を示してくれました。それは、配当により地域住民の参加を促し、参加者にメリットがある仕組みを作るのが一つの方法であるというものです。これは非常に有効で、この手法を用いれば、反対派の人々との争いを平和的に避ける可能性が高まる上、資金調達の手段も確保することができます。一石二鳥とは、まさにこのことでしょう。このお話を初めて聞いたときは、その合理性の高さに目から鱗が落ちるようでした。そして、私は大学で経済・経営を専攻としているため、自分が日々勉強している分野がまちづくりに活かされている事例を知ることが出来たのは収穫でした。



★オンライン座談会の雰囲気★


 3つ目は、オンライン座談会全体の雰囲気についてです。各メンバーがそれぞれの問題意識に基づいて何度も質問を重ねたり、それらに相川さんが丁寧に回答してくださったりして、とても有意義な時間を過ごすことができました。1時間という限られた時間ではありましたが、プロジェクト全体としてバイオマスを中心としたエネルギーに関する認識をよりはっきりとさせることが出来ました。オンライン中心の状況下であっても我々にできることはたくさんあることに気づかされました。


 今回の座談会を通して、木質バイオマスを中心とした自然エネルギーやその周辺に位置する問題について多くのことを学ぶことが出来ました。私個人としては、バイオマスエネルギーそのものの性質に関わるお話から、経済的なお話まで、エネルギーという一つのテーマを起点として様々な領域を横断するように、座談会が進んでいったのが非常に面白かったです。この座談会で得られたことを、今後の活動の糧として、プロジェクトの勢いを更に高めていけるように努めていきたいです!


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