top of page

林業の専門家にお話をお聞きしました!

更新日:2021年10月24日

目次



★座談会の概要★


 みなさん、こんにちは!この記事の執筆を担当します、さやかです!


 私たち、再エネ経済循環プロジェクトは、エネルギーの地産地消を通して、循環型地域経済の実現を目指して活動しています。2021年度は富山県南砺市をフィールドにして、林業や木質バイオマスのエネルギー利用、地域経済循環について学んでいます。


 今回は南砺市で林業家としてご活躍されている島田木材の島田優平さんにご協力いただき、7月29日にオンライン座談会を開催しました。当日はプロジェクトメンバー8名が参加し、林業や木質バイオマスについて質問をし、それらについて島田さんにお答えいただきました。



★島田さんの紹介★



 富山県南砺市井波出身。東京農業大学を卒業後、奈良県吉野で林業の基礎を学ぶ。富山県にUターンし県庁で公務員として働く中、県内林業の衰退と人材不足を痛感、2008年より井波に戻り家業の林業に携わる。現在は株式会社島田木材の代表取締役社長を務められている。また、森林資源を活かしたエネルギー事業、木質バイオマスの事業などにも携わっている。


 同時に地域おこしにも力を入れており、地域に貢献できるよう各種事業への参画や、井波日本遺産推進協議会ワーキンググループ座長として日本遺産関連事業の推進を通して地域の元気を取り戻すことに尽力している。

また、一般社団法人ジソウラボの代表を務めており、林業や建築など様々な業種の専門家と人材育成や伝統工芸の継承、空き家の活用に取り組んでいる。



★座談会で話された内容★


 座談会でお話しいただいた内容については、同じく記事の執筆を担当しています、こ〜たろ〜が詳しく紹介していきたいと思います!


 まず、林業家である島田さんが現在どのような事業をされているのかをお聞きしました。島田さんは長い間林業経営を行っていて、現在はウイスキー樽の生産や丸太生産などの事業も幅広く手がけているそうです。近年は国産材のニーズが高まり、仕事量が増加していて健闘してるとのこと。また、ペレットを活用したエネルギー事業に向けても関心が高いのだそうです。そして、これらの様々な事業を進めていく上で、島田さんは「木を何か役立つものへ活用したい!」という想いを大切にされているのだと感じました。本当に木を愛されている方で、素敵だなと思いました。


また、今後の課題についてもお聞きしたところ、インターネットを駆使したスマート林業についての話題が挙げられました。2020年から実際にIoTの活用へと取り組まれているようなのですが、作業現場は電波が届かない場所が多く、情報伝達が困難であることなど、林業でのIoT活用ならではの特有の問題が浮き彫りになったそうです。


 続いて、後継者問題についてお聞きしました。地方の過疎化や少子高齢化の進行によってますます林業の後継者が減ってきています。さらに、富山県では冬の降雪量の多さから、季節雇用と言われる期間限定的な雇用が一般的なのだそうです。そのため、林業が不安定な仕事となっていて、この仕組みが新規就労者の大きな足枷になっているのだと島田さんは考えたそうです。そこで島田さんの会社では働きやすい環境を整えるために通年雇用と週休2日制度を導入しました。その結果、会社の林業従事者の平均年齢は県内平均の48歳と比べ、なんと平均35歳にまで下がったそうです。本当に素晴らしいアイデアだなと感じました。

最後に地域おこしについても伺いました。島田さんは誰かがやらなければならないという想いから、地元である井波に「ジソウラボ」と呼ばれる地域おこし団体を立ち上げ、まちづくりに積極的に取り組まれています。また、新しい挑戦への否定的な意見や、一部の方々からの反対などの多くの問題や障壁も乗り越えていかなければならないそうです。実際、地域おこしはとてもとても大変で、相当体力を使う地道なことだそうです。それでも、「自分たちの地域の未来を明るくしたい。口だけの人は山ほどいるけど、実際に自ら行動して取り組んでいる人はほとんどいない。だからこそ、自分の行動が少しでも地域おこしに繋がる何かになればいい。」そういった熱い思いでまちおこしに取り組まれています。僕は、これが最前線で自ら先陣を切って行動している人の本心なのだと感じ、その心の内を私たち大学生に伝えてくれて本当に嬉しかったです。


 また、井波には地域のためにこんなに熱く取り組んでいる人がいるのだと感動しました。島田さんの情熱を肌で感じ、自分もこのままではいられない、負けてたまるか!と社会活動に対するやる気やモチベーションが湧き出ました!


 ジソウラボでの林業家としての役割についてお聞きしたところ、「俯瞰的にみれば、山はまち全体を作っており、山がまちに日々与える影響は実はとてつもなく大きい。」のだそうです。山とまちを関係のない別のものとして捉えるのではなく、相互に関係している存在として捉え、まちおこしをする時に山との関わりも大事であり、必要だという視点を提示するのが自身の役割の1つなのではないかと仰っていました。その言葉を聞いて、私たちも山や自然の価値や長期的な恩恵をもっと重要視していくべきだと改めて気付かされました。


 今回の座談会を通して1番伝わってきたのは島田さんの井波に対する愛でした。本当に井波というまちが心から好きなのだなと感じました。僕もそこまで地元を愛することができる素敵な大人になりたいと思います。



★おわりに★


 座談会では、林業や木質バイオマスの後継者問題についてや、木質バイオマスのエネルギー利用によるまちづくりなどたくさんのことについてお話しいただきましたが、私は中でも「木質バイオマスのエネルギー利用に欠かせない安定的な資源確保のために気を付けていること」についてのお話が印象に残りました。木質バイオマス資源を安定的に確保するためには、もちろん土地を押さえることが重要ですが、島田さんはそれと同じくらいに土地の所有者の方や地域の方との人間関係を大切にされているそうです。


 森林を守るだけでなく、地域の方々との繋がりを大切にするところに島田さんのお人柄が表れていると思いました!また、島田さんのお話を聞く中で島田さんの森林に対する愛情や情熱をひしひしと感じました。いつか井波で直接島田さんとお話できることを今からとても楽しみにしています!


 1時間という限られた時間ではありましたが、林業や木質バイオマスについて理解を深めることができ非常に有意義な座談会になりました。貴重なお話をしていただいた島田さんにはメンバー一同感謝しております。ありがとうございました!今回の座談会での学びをこれからの活動に活かしていきたいと思います。




★参考資料★


〇井波 MASTER PIECE

〇YNU再エネ経済循環プロジェクト HP

〇北日本新聞ニュース 


閲覧数:48回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page